おかしい人の判定項目
(妄想性人格障害)

1.病理研究や臨床活動の中から発見された性格上の問題で、他者の発言や行動の誠実さ(正しさ)をまったく信用できなくなるという人格構造の偏りです。『他者を信頼する精神機能の障害』。

2.現実社会や他者の言動を客観的に正確に認知することが出来なくなる。つまり、絶えず主観的な妄想のバイアスをかけて物事を見るため、自分がいつも正しい・他者がいつも自分を騙そうとしているという自分の偏った見方(認知)を修正することが困難。

3.理性的な思考・論理的な筋道・客観的な根拠が通用しないことが多く、具体的な証拠をもとに丁寧に現実状況を説明しても、理屈を並べて自分のことを陥れようとしているという強い猜疑心を見せる

4.一番嫌って抵抗するのは自分の妄想に対する反対意見や自尊心を傷つける侮辱的な言動ですが、他人が自分に批判的な態度を取ると、急に攻撃的で好戦的な対応に変わるという特徴があります。他人がいつも自分を騙そうとしているという被害妄想が強く、実際には悪口や中傷を言っていなくても、相手が悪口を言っていると頑固に思い込んでしまいそれを修正することが出来ない。外部世界や他人を非常に危険で悪意的(迫害的)なものだと思い込んでいるので、いつも他人に何か悪いことをされたら、反論して復讐しなければならないという極度の精神的緊張状態(闘争反応の準備状態)に置かれている。 他人への攻撃の手段としては事実関係はどうでもよく、自分の都合で、あることないことを作り上げて反論をする傾向がある。

5.ある程度体系化・物語化された妄想観念を伴う妄想性障害(パラノイア)と隣接している。現実が認識できなくなる精神荒廃の症状を示す『早発性痴呆』へと進行する可能性がある。

6.他者への不信感(猜疑心)以外にも、自分への批判に対する反応過敏性や妄想を伴う攻撃性などが見られます。

7.他者への不信感や猜疑心が非常に強いことで、警戒心や用心深さのレベルが異常に高く、何でもない他者の言動に恣意的に悪意や裏切りの心理を読み取る傾向がある。自分勝手に他人の心の内容を悪い方向に読み取っている状況は、精神分析学的には投影同一視という原始的防衛機制が使われている状況で、認知療法的には読心術(マインド・リーディング)という認知の歪み(偏り)が存在している状況です。 自我防衛機制や認知の歪みを利用することによって自己の妄想内容を支持する間違った情報を集め続けており、そうすることで自己の肥大した自己愛や完全主義欲求を防衛している。

8.猜疑心や嫉妬心の強く、他人の意見を聞かない、自分の意見に固執する、自分の世界に内閉しているといったものがあり、他人を信頼できずすぐに理不尽な疑いの眼差しや攻撃的な態度を向けるので、殆どの対人関係は破滅に向かうことになる。

9.現実社会を直視できないままに幼児的な全能感を維持しようと試みており、その試みを達成するために誇大的な妄想観念で現実社会の認知を歪ませようとする。自分の都合の良いように現実と他者を解釈するので、一般に、融通が効かず思いやりがない傲慢不遜な人物と見なされる傾向がある。

10.現実社会の認知を正しくは把握できないので、客観具体的な根拠を上げて自分の誇大的な妄想観念を打ち壊そうとする他者がいると、神経過敏に反応してその他者を攻撃しようとする。 他者への猜疑心や攻撃性の強さは、自分の妄想的な世界観を、現実を突きつけてくる他人から守りたいという妄想的アイデンティティの防衛の側面もあります。

妄想性人格障害